AUTO JAM

Guitar Craft
MODEL-J4

2014年に前作のJ3ドラゴンインレイが完成して以来、それはそれはずいぶんと年月が経ちました。
J3製作中の2013年からすでにこのモデルJ4の製作に取り掛かっていたのですが、ブライアンにギターをプレゼントして以降私は達成感と気力のリセットで呆然とする事が多く木工に対する熱意がまったく湧いてきませんでした。
それにデザイン案が煮詰まってしまっていたのも放置する要因でした。

逃避するかのようにその間、革細工をしたりバイクに乗ったり、・・・
仲間からの製作状況の問いかけの都度やらなきゃなと奮起してきたのですが、さすがに毎度何も進んでいない事を伝える事が心苦しく、永くはない余生も見据えて今重い腰をあげてJ4の製作を再開しました。

MODEL-J4

時は2014年。材木屋さんのWebで見つけたスプルースの角材。
テーブルの足などの使用目的のところ、半端の3本セット販売されていたモノを見つけて購入。
検索しても、ギター用の市販材ではこのようなサイズのカット品が無かったため、大満足。

MODEL-J4

さっそく短くカットして更にサイズを縮小、7cm角に。
何を始めるんだって?それはまぁ、見てたら判っていただけると思います。
とにかく、材種にスプルースを選んだ理由は軽量である事。そしてギター材を採用すれば鳴りを阻害する要素は無いという点で。

MODEL-J4

おおまかにカットしています。なにやらコンボイ・トラックに見えないでもないけど。。。
通常、彫刻に使用する木材は細かな凹凸の再現が容易で、変形の少ない固い材を採用するようです。
スプルースは、カットしていくとササクレ立ったり、いとも簡単に裂けてしまい、これはかなり手ごわいと、ビビリ入ってます。

MODEL-J3

彫刻刀、ルーター、デザインナイフと、あらゆる手で刻んでいます。
またしてもぶっつけ本番、彫刻って小学生以来。。。
頭にたいしたイメージも持ってないところに、さらに立体の再現となるとチト難易度高いです。。。
家に持ち帰って、チマチマと彫刻する予定がなんのなんの、ルーターを駆使して粉も舞う為とても部屋で出来るものじゃありません。。。
よってまたガレージでの工作になり、気候次第で進捗状況が左右されます。。。

MODEL-J4

頭の部分がちょっと進み。。。

MODEL-J4

サイズを全体的にやや落としながら何度も修正を入れているので、時間を掛けたわりに変わり映えしません。
ま、とりあえず龍らしくなってきましたね。。。
この時点では手をスベらせて落下させないように気をつけながらの作業です。

MODEL-J4

口元の切削と、全体のサイズ落とし研磨をしています。7センチ角にしたのがマズかった。削る量が多い。。。
ここまで質量が減ると、素材はまるでバルサ材のよう。
ヒゲ部分の切込みを入れる時にカッターの刃の厚みでさえ材を圧迫してしまい、サクッ、ペキッ!と、折れたりむしれたりします。。。
それはまるでウエハースに刃を入れる様な感触で、神経スリ減りますっ:S

MODEL-J4

口元を削りだすと、なんとなく人相が見えてきましたねぇ。
切削中にはアレコレと本体を持ち変えての作業なので、今これ以上削ってしまうと他の部分の作業中に細かい突起部分を折損しかねません。
とにかく手で支える位置が少ないのでしばらく底辺はフラットのまま作業を進みますが、底を仕上げるタイミングが落下・折損を防ぐキモになります。

MODEL-J4

ここまでくると、その重量は軽いです。想像以上に軽くうれしい限りです。
他の軽い木材でバスウッドなど比較的に木目が薄くて目立たない材の採用も考えていましたが、彫り進んでみると木目があるのも悪くないですね。
ツノに縞模様が入る等、木材ならではのミラクルな表情を加えます。

MODEL-J4

左側面の粗仕上げを終えた状態。
この後つづく胴体との角度調整や最終接着までは、細かい彫刻は保留です。破損が怖いので。
あぁ、長いヒゲも別パーツで作りますし、ツノも切り出し中に折れたならそれも別パーツで作る予定です。

MODEL-J4

中をくり抜いて軽量化。とにかく重要な課題が軽量化。
重いギターは持つ気にならないですからねぇ。
さぁ、次は位置関係を調整しながら胴体の彫刻を進めます。

MODEL-J4

胴体パーツAの削り出し、簡易研磨仕上げ状態です。
胴体パーツは4分割になる予定で、できるだけ中空にして軽量化を施します。
彫刻にあたり、「仏像の知られざるなかみ」という本を立ち読みしました。
仏像をレントゲン撮影すると、しばしば「像内納入品」と呼ばれる文物が見つかって新たな事実が浮かび上がる事もあるそうです。
こうして空洞化していると確かになにか入れておきたくなりますね。

MODEL-J4

これからウロコの切り出し作業が延々と続きます。。。
作業してみるとインレイワークの時と同じで、ウロコを整列させる事は難易度高いです。
龍の彫刻画像をweb検索すると、精度のあるウロコの整列から熟練の技を垣間見れます。さすがです。。。
気を抜かず、デザインナイフ片手にしばらくウロコと格闘です。(2013年5月)

MODEL-J4

胴体パーツの削りだしが進みました。
龍の手首ってどんな形状だ?見たことねぇ、なんて一人突っ込みながら、半完成した前足を配置してバランスをみます。
少々迫力に欠けるかな・・・まぁ初回の作品という事で。。。
彫り手によっていろんな龍が存在するところが面白いんです。架空のモノですからね。

MODEL-J4

全体のサイズがめいっぱい大きくなったので、制約のある空間で後ろ足・シッポなど、残るパーツの形状をどうするかまだ悩んでいるところです。
インレイワークより展開が速いので、今回は制作意欲が先走ってしまい安易なものに仕上げてしまわないように自問しながら、構想を練る時間を多く取るように心がけています。
龍の重量予測がビグスビーB6の重量とだいたい同じ300g・・・まだ重いかな。。。

MODEL-J4

足が完成。
やはり2度目の足の作成ともなると、前足の時の反省点をすぐおり込んで形状に差が出てしまいましたね。。。
前足の宝玉の中もくり抜いて軽量化してあります。
ドラゴン全体を削り出す事は至難の業なので、足のパーツとしては一つのブロックから削り出す事にこだわってみたので一応形になりホッとしてます。

MODEL-J4

位置あわせしてみます。
足の向きや、これから作るシッポの先はどのように向けても、Fホールから見える部分はわずかです。
このあたりは、思いつくまま適当に作業してみます。

MODEL-J4

さて、ドラゴンはなんとかなりそうな目途が着いたところで一旦作りこみは休憩、次はボディの装飾に取り掛かります。
普通のFホールでは新鮮味もありませんし、制作意欲も沸きませんので今回は彫り方を凝ってみます。
ノーマルのFホールから輪郭を写してデザインを施してみます。

MODEL-J4

ハンド・リューターと、ダイヤモンドやすりでゴリゴリ。。。
NCマシンならコーヒー飲んでる間に出来上がりってもんですが。。。 3Dプリンタが普及してきた現代に、アナログ街道まっしぐら。。。
もちろん肩も凝ればやすり持つ指も痛い。身を削って立ち向かう。これプライスレス。がんばれ自分!

MODEL-J4

とりあえず右側の穴掘りは終了。
この様な小さな穴は中を覗く為というより光の取り入れに効果がありそうですが、Fホールは全体バランスや後のハーネス取り回しを考えて普通に穴を開けてしまった方がいいか迷っています。

MODEL-J4

そして他の部分に着手。
やばい、無垢のメイプルだったらポキッと折れてたかも。
合板ありがたや。ギリギリまで削って2mmの幅でつながっております。
この作業で1mmのエンドミルビット2,500円也を1本折損。。。あと何本失うんだろぅか・・・

MODEL-J4

前回の更新から10年経過してました。。。
もはや何を進めるべきだったかは、すっかり記憶が消えております。
J3ギターを終えて以降J4への制作モチベーションはいつまで経っても上がらなかったので、とりあえず他の趣味に走っていました。
かねてから興味のあった "工業ミシン" 。
そうです、革製品も作りたいがそれ以前に機械物のミシンを触ってみたくなり、レトロなBrotherを手始めに着手。

MODEL-J4

140年前の初代ハンドルミシンCORNELYを手に入れ、チェーンステッチ構造に驚き。

MODEL-J4

いつものアイモクさんで合板と杢のつき板仕上げをプレス接着してもらい、ミシン台も凝ってみる。
ギターのアイデアが使えるんですよねぇ、木工だと。さすがに今どき既成のテーブルじゃ味気ないでしょ。

MODEL-J4

ショップの店頭に置いてあったらサマになるようなイメージで飾ったポストミシンPW-6。現在は総合送り版のLPW-8Bにアップデート。それを愛用していくこととする。

MODEL-J4

ブライアンから頂いたバイナルレコードにあるお言葉 "Let's shake"だよと言う事で、グレッチ・ラウンドアップのレザートリムのように テーブルサイドに巻いたレザーにスタッズを打ってモデル名とする。

MODEL-J4

その愛機で縫うバッグには欠かせない刺しゅうを入れる為の刺しゅうミシンを奮発。今はパソコンで作ったデザインを刺しゅうソフトで 刺しゅうできる時代。
思う事が全てカタチに仕上がっていく喜びプライスレス。

MODEL-J4

いろいろ作ってみたスマホポシェット。
寸法や縫い順を精査して仕込み8割・縫い2割だと知ってやはり何を作るも この比率が付きまとうんだなと痛感。

MODEL-J4

と思ってると世の中は新型コロナウィルス感染症 COVID-19...
しかし外出して太陽を浴びたくなるのも人の性。
世間もキャンプやバイクに賑わっているところ、バイクに寄り道する。

MODEL-J4

昔のバイクを懐かしみながら仕上げたり。ともに'88年、角目の時代だねぇ。

MODEL-J4

ツーリング先で仮面ライダーに会って童心に戻ったり。
仮面ライダーのトイレ休憩は見ないでおこう。。。

MODEL-J4

カメラ熱が沸いてきて撮りに走ったり。。。
と、まぁお見苦しい言い訳ではありますがとにかくギタツク熱がやってくるのを待ちながらそれなりに気晴らししていたわけですよ。

MODEL-J4

2024.4月。ある程度満足したんでしょうか。やってきたのですよ。ギタツク熱が!
10年停滞して再始動です。貝を切ろう。貝を!

MODEL-J4

ボディ装飾のピースを模様別のカラーを設定して揃えています。
こんな風にまだまだ素材の準備に時間はかかりますし、一生かけて作る覚悟もしていますので更新はゆっくりですが、気長に見守ってくださると幸いです。

MODEL-J4

ボディトップ右側の装飾穴はほぼ出来ています。
一方、左側の作りこみが複雑でこれからの作業も試行錯誤で時間を費やすと思います。

MODEL-J4

ボディバックの装飾穴も進めています。
インレイ装飾も含め、しばらくはボディ装飾に取り掛かります。

MODEL-J4

一つ一つの穴をヤスリがけしています。
右側の穴のサイズになるように一旦小さめに開けた穴を徐々に拡げて行きますが、メイプル材はなかなか容易に削れてくれませんので一度の作業で3つ4つ成形できたら良いほうです。また自分との戦いなわけです。
2024.5.23現在。to be continued...

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